ガリレオ衛星はいずれも公転周期と自転周期が一致しています。 ガリレオ衛星に限らず太陽系の惑星の衛星の多くが主たる惑星に対して同じ面を向けて続けて公転しています。 これは星間物質がポイント接触により集まり、その重心が主惑星の重力によって主惑星寄りになって誕生して、成長したことが原因と考えられます。 初期の衛星がスカスカの状態で誕生して、方向に引き延ばされる環境で成長すると、衛星の重心が主惑星側に移動した状態が衛星の自転を公転と一致することになります。 衛星の公転周期は木星と衛星の距離に依存して決まります。静止軌道上の星間物質が受ける中心惑星の重力は公転運動の遠心力とつり合っており、 星間物質ゆっくり接触してそのまま接触が保たれてバラバラになりません。そこで、静止軌道が星間物質の塊が発達して衛星が誕生する場所と考えられます。
木星の静止軌道は160,000kmガリレオ衛星は衛星の公転周期は静止軌道の外側にあります。ガリレオ衛星の公転軌道の半径(L)は衛星の公転周期(T)は静止軌道の外側にあります。
木星の質量が増すにつれて自転速度が速くなり、木星の内部の荷電粒子の回転運動も早くなり光の速度で作用する磁気的結合により外部で運動する荷電粒子が加速されて、
衝突する衛星の公転も加速されます。ガリレオ衛星は木星の静止軌道で誕生して、木星の成長に従って木星から離れたとすると、 カリスト、ガニメデ、エウロパ、イオンの順序で誕生したとなります。
表3. 木星の4個のガリレオ衛星のデータ
名前 | 平均軌道半径 | 公転周期 | 直径 | 質量 | 密度 |
イオ | 4.22 x108m | 1.76 日 | 3,632 km | 8.92×1022 kg | 3.528 g/cm3 |
エウロパ | 6.71 x108m | 3.55 日 | 3,138 km | 4.8×1022 kg | 3.013 g/cm3 |
ガニメデ | 10.7 x108m | 7.16 日 | 5,262 km | 1.49×1023 kg | 1.936 g/cm3 |
カリスト | 18.8 x108m | 16.69 日 | 4,820 km | 1.08×1023 kg | 1.851 g/cm3 |
表3. に示すように、イオの公転周期とエウロパの公転周期とガニメデの公転周期が ほぼ、1:2:4 という軌道共鳴の関係が成り立っており、衛星と衛星が接近することが繰り返されます。衛星が接近することが発生して、その際に、大きな衛星が小さな衛星の物質を取り込むので、エウロパの質量が少ないと説明できます。 なお、惑星の衛星は中心の惑星の静止軌道で誕生したと仮定すると、衛星が誕生した時期はカリスト、ガニメデ、エウロパ、イオンの順序となります。木星から離れた位置にあるガリレオ衛星の密度は低いです。
地球は自転で1日で1回転していますが、月の公転も自転も同じで27.4日です。月の重心は地球よりにズレており、月の自転が27.4日と遅いので、地球の自転で月の自転が加速されます。速い速度で自転している地球にゆっくり公転する月が万有引力が作用するので、月の公転が地球の自転に加速されて公転速度が加速されて地球から離れて行きます。
現在、地球から月までの距離は約38万kmあり、月は1年間で約3.8cmずつ離れています。過去の時代も同じ後退速度であったとして 地球と月までの距離(3.8x108 m)
を(8x10-2 m)割れば1010となり、今日の距離になるの100億年かかったことになります。
ところが、月が地球に近い場合に 月による地球におよぼす潮汐効果が大きいです。月が誕生して形成されたのは地球の静止軌道附近であったと考えられます。
軌道長半径 L、公転周期をT、主星の質量を M、伴星の質量を m、万有引力定数を G とすれば、これらの関係はケプラーの法則により、L3/T2 = G(M+m)/(4π 2) となる。この関係から公転軌道半径と軌道周期を比較してみます。
実際の月までの距離と静止軌道の距離の比は遠地点で[(40.56/4.23)= 9.59]、近遠地点で[(36.33/4.23)= 8.59] となります。他方、月が静止軌道にある場合の回転周期は1日であり、現在の公転周期が27.3日であるので、その比をケプラーの法則により軌道距離の比に換算するとL27.3days;/L1day={(27.3)2}
1/3= 9.1となります。これは、楕円軌道で求めた値と一致します。 (last modified April/20 2023)
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